息子は自閉症スペクトラム

2012年7月に誕生した息子りく(通称)。2014年4月(1歳9ヶ月)に自閉症スペクトラムの疑いが発覚。2016年3月(3歳8ヶ月)に自閉症スペクトラムの診断あり。療育は早ければ早い方がいい。身をもって体験中。

ゲームのように考えてみる

息子のりくの行動でずっと気になることがありました。それは段取りの悪さです。
年長になったので、なるべく自分で保育園の用意をさせるようにしています。
まず最初の壁は、用意するものをイメージすること。
用意するものを教えても、行動の過程で気に取られるものがあれば忘れてしまいます。
視覚優位な特性なので、イラストと文字で用意する物を紙に書いて保育園のバックにぶら下げるようにしました。

 

書いたことによって一目瞭然になりました。最初に書かれた物を用意でき、滑り出しは順調だったのですが、その後また壁にぶつかりました。
書かれた順に一つずつ用意していくのです。

例えば、
着替えのシャツとズボンを用意する必要があるとき、場所が同じなので一回で取りに行けばいいものを、シャツを取りに行ったあと戻ってきて、またズボンを取りに行く。何度も言ったり来たりするうちに、行動途中にあるおもちゃや本が気になり、遊んだり読み始めてしまい、なかなか用意が終わりません。
私が「今は保育園のものを用意する時間だよ〜」と声掛けする必要があり、時間がかかりまくります。

 

5分と時間を決めて、ご褒美で釣ってみましたが、途中で目的を忘れて、気が散った物で遊び始めました💦
また、ひとつずつ用意することで、気が散りやすいタイミングが増え、悪循環に陥っているようでした。

ただ、最初は行ったり来たりするのが大変なことを自ら気が付き、行動を変えていくだろうと思って見守っていました。
自分で考えて、失敗しながら、工夫できる力をつけてほしいと願っていたからです。
しかし、見守ること約1ヶ月。一向に行ったり来たりしていて、改善する気配がないのです。
本人は失敗したと感じたり、困っていると思っている感じもないので、マイペースに用意を続けているように見えます。

作業療法士の先生から、りくは見通しを立てて行動することが苦手な特性があると言われます)

 

このままでは、用意に時間がかかっていいことを学習しかねないと感じた私は、用意の仕方を少しアドバイスしてみようと思いました。

「ねえねえ、保育園の用意で、早くなって楽しい方法を思いついたのだけど、聞いてくれる?」
と話しかけ、りくの注意を引きます。
「え、何々?」
と興味津々。

「では、問題です。シャツを取りに行ったときに、一緒に取りに行ったほうがいいのは何でしょう?」
「う〜ん、ズボンかな」
「正解! 少ない回数で取りに行くって、りくの好きな迷路や一筆書きのゲームと同じじゃない? 用意する前に、どういったら少ない動きで用意できるか、ゲームみたいに考えてみたらどうだろう」
と言ったら、りくは嬉しそうに「ゲームに似てる!」と同意してくれました。

 

ThinkThink ↓りくが好きなゲームアプリ。 

子どもの思考力を育てる教材【Think!Think!】

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「りくは迷路をする前に、すぐに鉛筆で書かないで、考えている時間があるでしょう。何を考えているの?」
「ゴールから、たどってみたり、頭のなかで行き止まりにならないか進んで見てるの」
「それだよ! 用意も同じように、辿ってみたりどう動けば一回で用意できるか、動く前に考えてみたらどうだろう」
「そうしてみる!」

ということで、りくと、どんな順番でどう取りに行ったら早いかを、シミュレーションをしてみました。
そしてその動きどおりに動いて用意させてみたところ、今までの時間の十分の一程度の時間で用意することができました。

りくは早く用意できたことに満足げです。「ゲームみたい」というキーワードがりくに響いたみたいです。これからも折に触れてどんな順番で動いたら早いのか質問して、あらかじめ考える癖をつけていきたいなぁと思いました。