問いかけを無視されたときは、どうすればよいのか?
先日、保育園の連絡帳に、こんなことを書かれました。
「いろんな保育士から、りっちゃんに「髪の毛、どこで切ったのかな?」と聞くと、何もなかったかのように無反応で通りすぎてしまいます。
でも、全然関係のないタイミングで、このことを話しかけることがあります」
これは、自閉症スペクトラムの子でよくある症状です。
朝、保育園に連れて行くと、違うクラスの保育士さんから、
「りっちゃん、おはよう」
と声をかけられるのですが、聞こえていないのか、たったったっ〜と駆け抜けて通りすぎてしまいます。
私が、りくを引き止めて
「〇〇先生がおはようっていってるね〜。りっちゃん、こういうときはどうするの?」
と聞くと、
「〇〇せんせい、おはよう〜」
とあさってのほうを見ながら、答えたりします。
半年くらい前から気になっていたのですが、連絡帳に書かれるということは、他の言動でも目立ってきたようです。
この答えられない症状ですが、「聞こえていないのか、もしくは、聞こえているが答えることを知らない」のどちらだろうと疑問に思いました。
児童精神科の医師がおっしゃっていたのですが、人の声は目線を合わせることによって、音を判別しやすくなるようです。
また、自分に関係ある音とそうでない音を高度に聞き分けているとのこと。
例えば、海外の雑踏でいろんな音が混ざっている聞こえているときに、日本語だけを聞き取るのも、耳が関係のある音だけを聞き取っているかららしいです。
そういえば、私が話しかけると割と反応があるので、母親の音は耳に入りやすいのかもしれません。
もちろん、集中しているときは、聞こえていないようですが。
取り急ぎ、「可能なときに、りくに目線をあわせて話しかけてもらえると助かります」とお願いしました。
保育士さんの答えからは、「出来る限り対応したいと思います。やってみましたが、目をあわせたくないときもあるようです」
との返事。
そうだよな〜、私でもなかなか目を合わせてくれないものな⋯⋯。
行き詰まってしまったので、次に臨床心理士の友人に聞いてみることにしました。
友人曰く
ーー
①声かけを無視する姿が散見される
無視すると捉えると、情報は入っているのに あえて 無視する という高度なことができていることになりますね。
聴覚情報として入っていない あるいは 情報を知覚できていない ととらえた場合はどうでしょうか?
2つの異なる捉え方で、対応は2つにわかれますが、おそらく後のほうが強く疑われますね。
声の入りはおかあさんの声がダントツ一位ですよね。
他の人の声は、入り方がそれぞれ異なっているはず、それから同じ人の声でも、りっちゃんの状態によっても入りが異なっているはずです。
なので、まずは様々な「情報の入れ方」を工夫してみましょう。
おかあさんのやり方を先生たちが真似ればよいだけの話だと思われます♬
②急に答えることが多くある
これについては、大人からの声かけ(情報の入力)への反応とは分けて考えると良いですね。
「急に」についてですが、全般的に思いついたら子どもって話しかけますよね。至極ふつうのことだと思います(^^)
ただ、「いま相手に話しかけてよいか?周りの状況がどうか?」を読む力 が同時に育っているかどうかは別物。
空気を読む ことは大人でもかなりむずかしいスキルでして、子どもなりに読むことはありますが、
りっちゃんの場合は、ボチボチで良いのでは?
なので、まとめると
①大人からの周囲からの情報入れる際、入れ方を工夫する。きちんと りっちゃんに届くやり方にする。
②突然はなしかける行動 については 相手の注意をこちらにむけるスキルを身につけさせる。
いわゆる「注意喚起」ですね。ねえねえ、あのね、きいてよ、◯◯先生、ぼくね、とか。」
ーー
とすっっごく、わかりやすいお返事をもらいました。
やはり、1つ目の声かけに答えないのは、無視しているのではなく、聞こえていないのだということ。
となると私の声が聞き取りやすいのですが、先生に声色を真似てもらうわけにもいかず(笑)
いろいろ自分の行動を振り返ってみると、引き止めて耳元で聞いたときには反応がよいので、とりいそぎ保育園の先生には
「突然の話しかけは聞こえにくい性質であること。可能であれば、引き止めて耳元で聞いてみてほしい」
とお願いしてみようと思います。
とはいえ、これも一時的な対応でしかないのですよね。
息子に話しかける人全員に、この対応をお願いするわけにもいかず⋯⋯
成長とともに何か改善にむかうといいなと希望をもちつつ、まずは保育園での生活を円滑に過ごせることを目指したいと思います。
何事も完璧を目指さず、少しずつ善処すればいいのかなと感じています。
とくに自閉症傾向のある子に、できないことを叱るのは、目が見えない子に目が見えろと叱るようなもの。
「できないこと」と「挑戦したらできること」の判断を間違えないようにしたいなと思います。
そして、2つ目に関しては、本当によいアイディアだなぁと感動しました。
これからりくが話しかけてきたときに、この注意喚起の言葉をいれてみることを教えてみたいと思います。
何か進展がありましたら、記事にしますね。