石井式漢字教育と自閉症スペクトラム
りくは漢字教育で有名な石井式漢字教育を導入している園にかよっています。
石井式漢字教育をご存知のない方に説明すると、幼児の方が漢字を覚えやすいという特性を見つけた故石井勲教育博士が「漢字で学習する※」方法を確立して、全国の600もの幼稚園・保育園展開している教育法です。
(※「漢字を学習する」のではなく、「漢字で学習する」教育法なんです)
40年の実践に基づいた教育法で、公文などの他の幼児教育にも影響を与えていたり、いわゆるお勉強系がさかんな幼稚園などで石井式の導入がされています。
それと、もう1つ、漢字教育に興味をもったきっかけが。
高橋和子さん著の「高機能自閉症児を育てる」は、3歳8ヶ月までしゃべれなかった、自閉症スペクトラムとしては重度である息子さん(のちに様々な努力をして京大に入学)の子育ての記録が書いてあります。
注目して読んだのが、彼の能力を最初に引き伸ばした木島幼稚園(大阪府貝塚市)の箇所。その幼稚園でも、漢字教育を導入していることを知り、自閉症スペクトラムと漢字教育の相性がよいのではと感想をもちました。
(いつか、この書籍のレビューを書きたいと思っています)
さて、漢字というと、小学生のときに習い始める難しい文字というイメージがありますよね。
でも、幼児にとって、漢字はマークや標識のように図柄として見えるため、ひらがなよりも特徴を捉えやすいそうです。
理論的にも、幼児は右脳優位なため、左脳で覚えるひらがなよりも、右脳と左脳の両方を使う漢字の方が覚えやすいことがわかっています。
脳科学的に、8歳以降は、論理的に納得しないと記憶できなくなるのですが、それまでは、理屈関係なくどんどん記憶することができるんですって!
石井式の漢字教育でまなんだ幼児は、未就学児でも小学6年生までの常用漢字をすべて読めることができる子もいるとのこと。
石井勲先生は指導での効果を確認していく中で、自閉症スペクトラムなどの発達障害の子にも、漢字教育は効果を発揮するということを検証されています。また、IQの発達の延びがよかったとの結果もあるそうです。
息子のりくにとってよい教育がなにかを探していく中で、りくが文字やマークに対する反応がいいことを確認してきました。
石井式漢字教育を知るにつれて、りくにとってこの漢字教育が合っているのではないかと感じるようになりました。
そして、訳あって年少から通う保育園を改めて探さないといけない状況になり、石井式漢字教育を導入している園に入園させることにしたのです。
入園して2ヶ月半以上経過しましたが、今のところ発達によい影響がみられており、相性のよさを実感しています。
街なかを歩いていても、いつの間にか読める漢字が増えていたり、もともと読めていたひらがなやカタカナですが、つっかえずに本をスラスラ音読する姿が見受けられるようになりました。
また、数に対する反応もよくなりました。「3と5で8だね〜」などと話したりすることがあります。これは、石井式のカリキュラムの中に、百玉そろばんを使って数を教える方法があるためです。
何よりも、言葉の理解がすすみ、こちらの言いたいことがよく伝わるようになったり、気持ちの整理が上手になってきていて、情緒がおちついてきているように感じます。(相変わらず、注意散漫ですし、会話はマイペースではありますが…‥.)
先日、参観があり、どんな教え方をしているか知る機会がありました。30分間楽しそうに着席して授業をうけていて、無理なく学習している姿に驚きました。
この件については、また改めてご紹介したいと思います。
もともと早期教育や知育に関しては関心はあったものの、自然にのびのび育つほうが子どもにとってよいのではという気持ちもありました。しかし、早期療育を取り組む中で、息子の特性では自然にすればするほど、こだわりが強化され社会適応が大変になっていくのではと感じるようになりました。
そして、音感のように幼児期に習得しやすい能力があり、漢字教育もそのひとつ。その能力を無理なく伸ばせる環境においてあげることが息子にとってよいのかなぁと現在は感じています。
<石井勲博士が書いている本>
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