療育法でポジティブな言葉のシャワーを
先日、りくが水筒で飲みこぼして、身体に水がかかりました。
私が「あぁ〜、シャツや靴が濡れちゃったねぇ〜」と声をかけました。
外出先でしたので、頭のなかでは、「着替えを用意してあるかしら?、早く着替えさせないと風邪をひいちゃう……」などの思いが駆け巡りました。
一方、りくはニコニコしながら、
「ズボンは濡らさないようにできた!」
と喜んでいます。
私はりくの言葉を聞いて、ハッとしました。
発達障害児の声掛けでは、
「走らない!」ではなく「歩こうね」
「早く着替えて」ではなく「今着替えたら、電車で遊べるよ」
など、否定語を使わなかったり、曖昧な指示をしないで具体的に伝えることを推奨されています。
これは、発達障害児に限らず、どんな人にも気持ちのよい声のかけ方ですよね。
また、療育のABA(応用行動分析)ではスモールステップでできたら褒めて成長を促していきます。
それは、たとえ大部分ができていなくても、少しできたら褒めて、出来た行動を強化することによって、好ましい行動を増やしていくやり方でもあると思います。
りくの言葉を聞いて気がついたのは、療育法で意識的に声をかけていた内容は、ポジティブな言葉のシャワーだったのではないかということ。
人の思考は、よく知っている言葉で成り立ちます。
ポジティブな声掛けの言葉で脳が満たされていれば、その子ども自身の思考もポジティブなものになるのではないでしょうか。
りくはよく
「おもしろいねぇ〜、楽しいねぇ〜」と言います。
これは、私が楽しい雰囲気作りをするために、意図的に声掛けをした言葉です。
例えば、公園でりくが苦手なハシゴがあったら、「おもしろいハシゴがあるね〜」と盛り上げてハシゴに挑戦させたりしてきました。
たぶんこの言葉が染み付いているので、りくはよく「おもしろいねぇ〜」と言うのかもしれません。
もちろん、私から受けるのは良い影響ばかりではないです。
私自身は、少し不安症なところがあり、気をつけないと悲観的になる傾向があります。
昔、減点主義の厳しい職場で働いていたことの影響だろうなぁと感じています。
ふと口からネガティブな言葉がでることがあります。
よくあるのは、「あぁ、疲れたなぁ〜」
とひとりごちることがあります。
先日、別の部屋にいたりくの「あぁ、疲れたなぁ〜」とつぶやいている声が聞こえてきたことがありました。
まちがいなく私のひとりごとが伝染ってますね……
さて、強い叱責は、きっとネガティブワードが多いはずです。
「もぅ、ダメなことばかりしないで!」
「ちんたらしない!」
「早くしてって言ったでしょう。何回言ったらわかるの?」
こういう言葉のシャワーを浴びていたら、その子どもの思考はネガティブになるのかもしれないですよね。
激しい叱責を周囲から受けている子どもが暴言をはいている姿をみたことがあります。
やっぱり、汚い言葉で怒るのは、文字通り「言葉の暴力」なのではないかなと。
その子がよくなるために発した言葉なのに、その子どもに悪い影響を与えているとしたらとても悲しいことです。
療育法で推奨されている声掛けは、最初に書いたとおり、ポジティブな言葉ばかりです。
否定語を避けますし、具体的で、良いニュアンスで伝わるような声掛けを行います。
また、楽しい雰囲気づくりをしながら、苦手なことに克服させようとするので、自ずと声掛けはポジティブな言葉になります。
自然に子育てしていたらネガティブな声掛けをしたかもしれない中、ポジティブな声掛けができたのは、療育法を知ったおかげです。このまま、りくの思考がポジティブな思考になってくれるといいなぁと希望をもちました。
あわせて、感情にまかせて叱責することがないよう、自分の襟を正さなくてはと行動を振り返った一コマでした。
ーーーーー
オススメの記事
我が子に自閉症の疑いがあったら、絶対様子をみないでほしい。心からのお願いです。 - 息子は自閉症スペクトラム
発達障がいの子をもつ親が知っておきたい福祉制度について - 息子は自閉症スペクトラム