息子は自閉症スペクトラム

2012年7月に誕生した息子りく(通称)。2014年4月(1歳9ヶ月)に自閉症スペクトラムの疑いが発覚。2016年3月(3歳8ヶ月)に自閉症スペクトラムの診断あり。療育は早ければ早い方がいい。身をもって体験中。

本人のやる気を育てるために心がけること

結構前に全米でベストセラーになったダニエル・ピンクの著書『モチベーション3.0』。 

 

 

最近この本を読み返しています。
というのは、ABA(応用行動分析学)を参考にりくの育児を取り組む中で、
「次に何すればいいの?」「これをしたら、ThinkThink(算数パズルのアプリ)していい?」
など、受動的な姿勢がきになってきたからです。

将来的には主体的な姿勢や自律の精神を育みたいなぁと思っています。
けれど、好きなお菓子や褒め言葉、ゲームなどの強化子で力を引き出していくABAのやり方では、どうしても外部の介入でうごく受動的な行動になりがちなのかなぁと思うことも。

主体的、つまり内発的動機で行動するようになるには、もう少し向き合い方を工夫していく必要があるのではと思い始めたのです。

この本では、
柔軟な問題解決や創意工夫を求められる現代では、内発的な動機が必要な時代になってきていると主張しています。
右脳的な仕事をもとめられる際の「内発的動機」は、今までのアメ(報酬性)のムチのやり方では、喚起できなことをたくさんの例をあげて説明してくれています。

例えば、
「パズルを与え、できたほうに報酬を与えるのと与えないチームでは、報酬を貰わないチームのほうがが結果がよかった」だったり、Wikipedia のようなボランティアで更新するサイトのほうが内容が充実したり、などです。

 

一方、ABAの指導方法はアメとムチの方法に近いのではと感じます(ただし、ムチは消極的罰、つまり行動の直後に褒美を与えないこと ex.テレビを消す、ゲームができない)。
ABAの方式だと、モチベーションが育たない?と早合点しそうでしたが、もう少し読み進めると、アメとムチの方法が有効なケースも載っています。

”あまり面白みがなく、それほど創造的な思考も必要なルーチンワークに対しては、報酬は有害な副作用を伴わずに、モチベーションを少しばかり上げる役割を果たせる”

本人がやりたくないことや苦手としていること、あるいは、毎日のあまり面白みのない作業や練習についてはABAのアメとムチのやり方は理にかなっているんですね。

 

毎日のピアノの練習や公文のプリント、そろばんの練習に関しては、終わったらThinkThinkという算数パズルゲームをしていいという報酬を与えています。

 

浮き沈みはありますが、それぞれの習い事を楽しいと感じているようなので(もちろん壁にぶつかったり、先生から叱られたりしたときは、気分がのらないときもあります)、「報酬をあげなくても日課としてするもの」へ切り替えてみようかなと思いました。

注意しなくてはいけないのは、そろばんの試験の点がよかったり、かけっこをがんばったり、自分からお手伝いができたり、といったときに、わざわざご褒美を与えようとしないこと。

いままでは、お菓子を買ってあげたり、外食したりと、よい結果に対して報酬を与えがちでした。姿勢を褒めたり、お手伝いに感謝の意は示しつつ、報酬は与えないようにしようと思います。

これからは、本人が好きなことやりたいことや、主体性を発揮してできたことに関しては、報酬を与えないようにして、内発的なモチベーション、つまり、やる気を育てていきたいと思います。