息子は自閉症スペクトラム

2012年7月に誕生した息子りく(通称)。2014年4月(1歳9ヶ月)に自閉症スペクトラムの疑いが発覚。2016年3月(3歳8ヶ月)に自閉症スペクトラムの診断あり。療育は早ければ早い方がいい。身をもって体験中。

6歳の成長記録

7月に6歳になりました。成長状況をまとめておきたいと思います。
 
◆コミュニケーション 
やっぱり、マイペースです。人との接触を好む積極奇異型なので、果敢に人に対して「自分のペース」で話しかけます。たとえ、相手が誰か別の人に対して叱っているタイミングでも、話したいことがあれば話しかけたりします💦。それでいて、興味関心が別の事柄にうつっていると、だれが話しかけても、聞こえないのか無視するときもあります。
最近では、関心のあることに対しては、会話のキャッチボールがはずみずいぶん楽しめるようになってきました。
話が飛ぶ時もあるので、相手が聞きやすいように、下記のような枕詞をつけるように伝えています。
 
枕詞の例
「話変わるけど」
「〇〇の話なのだけど」
だいぶ話に枕詞を混ぜられるようになってきました。
 
私が話が飛んだ時は、「ママ、「〇〇の話なんだけど」と言ってくれないとわからないよ!」と突っ込むことも(笑)
 
知っている話をすると、「それ知ってる。知ってるってば」と話の腰を折った感じで話を続けられなくなるので、
「知ってるではなくて、「そうだよね」と言い換えてみたら」
と伝えています。
 
例えば、
私「りくがうまれる一年前に大きな地震(←東日本大震災のこと)があったんだけどね」
りく「それ知ってる。前教えてもらった」
私「えっと、、、」
 
となってしまい、話をつづけにくくなったり、話し続けたい気持ちを減らしてしまうことがあります。
 
なので
私「りくがうまれる一年前に大きな地震(←東日本大震災のこと)があったんだけどね」
りく「そうだね。あったんだよね」
私「そう、そのときママはどこにいたか知ってる?」
 
みたいに、相槌に変えられるようにおしえています。
こちらも、だいぶ言えるようになってきました。
 
語彙は豊富で説明は上手ですが、イントネーションの抑揚が乏しい感じで、奇妙に感じるときも。でも、そんな話し方もまた愛嬌があってかわいいです。親ばかですね。また、感情を言葉で言い表すことは苦手なので、「イヤ!」というときは、よっぽどのことだなぁと気にかけています。
 
◆社交性
自分のペースで話すので、お友達から嫌がられることもあるみたいです。でも、基本は陽気で、相手から攻撃されてもニコニコしていることが多いので、もめることは少ないです。ままごとなど、自分たちでルールを決めて何かをする場面は、自分がやりたいことにこだわったり、なりきったりすることが難しいので、遊びの輪に入れないことも。一時期落ち込んでいましたが、ひとりで遊ぶことも楽しいとふっきれていました。
 
息子の特性のひとつに、空気を読みとる力が弱いところがあります。視力が弱いのと一緒で、時間が経ったりトレーニングしたら格段に発達する力ではない模様。この場面ではこうするとよい、などのルールとして自分なりの「辞書」をためていくことによって、集団での生き辛さを減らせていくことを知りました。(SSTソーシャルスキルレーニング)がこれに当たるのかな。このあたりをもう少し勉強してみたいです)
 
だから、私がうまく遊べていないときをみかけたときは
・どうして嫌がられたのか
・どうすればよかったのか
を伝えるようにしています。
 
今は宇宙などの自然科学、計算に興味関心があるので、お友達と話が合わないときもあります。ただ、シンカリオン(新幹線がロボットに変身するアニメ)を毎週かかさずみているので、シンカリオン好きなお友達と会話が弾むことも。
 
発達障害がある子どものママ友が、お友達と共通の話題があったほうがよいからとポケモンをみせるようにしていると話していて、そのときはその重要さがよくわからなかったのですが、今ではそういうことかぁと感心しています。
 
大人になったら、マニアな趣味も仲間が見つけられますが、子どものうちは世界が狭いので、好きなものが共通としてひとつあったほうがよいかもしれません。でも、これからの社会で人とは違うことを深く知っていたりすることが身を助ける時代になってくるのではないかと思うので、そちらも重視したい気持ちも。また、アニメやゲームはやっぱり子どもを惹きつける力が強いので、泥臭く考えたり創造する時間を食ってしまいがち。刺激物をどこまで触れさせるかは、悩ましいところです。
 
◆身体能力
月1回、療育施設でOT(作業療法)に通っています。そのおかげで、怖がっていたブランコも立って、楽しみながら自分でこげるようになりました。体幹があまりしっかりしていないので、走るフォームはフラフラしていますが、手足を速くうごかせるので、走るのは速いです。姿勢をよくキープしていることは苦手で、言ってから5分位たつと、すぐに姿勢が崩れてしまいます。
 
手の力の繊細なコントロールや複合的な動きなど、身体の協調運動が苦手で、ボールなげや縄跳びなど、物を使った運動は難しさを感じます。ただ、縄跳びは、一回飛べたらうれしかったようで、本人が意欲的に取り組むようになりました。それで、常時縄跳びを携帯して、朝晩と2週間ほど暇をみつけては集中して練習したところ、50回以上飛べるようになりました。
 
ボディーイメージが乏しいので、よく物にぶつかったり、転んでいましたが、OTのおかげで、ずいぶん減りました。
 
視線のコントロールに困難さを抱えています。折り紙をおるときに、最後まで折り紙をみていられなかったり、ゆっくり転がしたボールを獲ろうとしても見失って捕れなかったりします。物を探すことも苦手で、目の前にあるのに物を探すことも。気が散りやすい特性も、目のコントロールが効きにくいことから、集中して物をみるのではなく、色んな所に視線が飛んでしまうところからきてるのではということを5歳で実感しました。6歳になったこれからは、視線のコントロール能力が改善するといわれる「ビジョントレーニング」を本格的に取り組んでみようと思います。
 

 

学ぶことが大好きになるビジョントレーニング―読み書き・運動が苦手なのには理由があった

学ぶことが大好きになるビジョントレーニング―読み書き・運動が苦手なのには理由があった

 

  

◆読み・書き
文字への関心が相変わらず強く、本を読むことが大好きです。活字中毒ぎみなため、食事どきなどは、袋に書いてある成分表示を読んだりしています(笑)。ハイパーレクシア(過読症)なのかもしれません。
 
公文の国語をやっていて、進度はCⅡ(小学校3年生後半程度)。
 
公文のすいせん図書は、大人が読んでもおもしろい良質な本が揃っているので、すいせん図書をベースに図書館から本をかりてきます。そのほかは、りくが好きそうなテーマで、小学校中学年向けの本を15冊ほど適当にかりてきて、部屋の片隅に並べておいてあります。それをりくが好きなときに読んでいます。
 
公文のすいせん図書
 
一日大体30分から1時間くらいの読書時間です。2週間の返却タイミングで読みきらないので、その中からまた借りたい本をヒアリングして借り直しています。2週間に一回半分くらいの本が入れ替わる感じです。
 
宇宙や植物、自然エネルギーなどへの興味が強く、学習まんがから図鑑まで幅広く読んでいたりも。また、小説であれば探偵ものがすきです。
 
くもんのすいせん図書で内容が硬めの本の読書体験をつみつつ、学習まんがや図鑑で好奇心を満たしている感じです。学習まんがの文字は小さめなのですが、やはり楽しいようで、小さい文字に慣れる手段としてよい気がしました。
 
あと、漢字の読みは触れた回数な面もあるので、動画などは日本語字幕を表示して視聴しています。そうしたところ、広告ポスターにあった「乳酸菌」「善玉菌」などを読めていて、聞くと、祖母と健康番組を見てるときに覚えたとのこと(笑)。苦労せずに覚えていけるのはいいですね。
 
◆数
電卓で計算するのが好きだったため、そろばんを習っています。今は停滞中ですが、調子のよいときは3桁✕3桁の掛け算や5桁÷2桁の割り算、3桁の見取り10口(3桁の足し算引き算を10回)が暗算でできます。
 
暗算ができるようになったこともうれしいですが、それよりも、先生の指導どおりに座って一定の時間集中して問題を解くことができるようになったことが何よりよかったこと。鉛筆や問題を机の下においてしまったり、よく物をなくすので、これに関しては、まずは必要なものだけ机の上におき、それ以外は机の中にしまうことを毎回言っていこうと思います。
 
算数のパズルや迷路のドリルが好きで、iPadでThinkThinkというアプリでよく遊んでいます。今は無料ですが、来年から有料(一部無料)になるようです。内容がいいので、お金を払っても続けたいなぁと思っています。
 
↓ThinkThinkと同じ問題。外出時に携帯しよく読んでます。ボロボロになりました。 
マンガでわかる! 10才までに遊んできたえる 算数脳パズル250

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 余談ですが、私立小学校の受験ででるパズル的な問題とThinkThink!の問題は要素が似ています。だからか、幼児教室に通わなくても、パズル系の問題は解くことができています。
 
 
◆就学先の検討状況
公立小学校の場合は、支援級や通級を含めて検討。また、本人の特性にあった私立小学校があればそちらもよいのではないかと探しています。公立の就学先を相談する「就学相談」に4月頃申し込み、すでに、相談員との面接2回、子の発達検査1回、相談員の保育園への視察を1回行いました。
 
就学相談の担当の方に
「りくは、保育園の団体行動ではマイペースで少し声掛けが必要なものの、つきっきりのサポートがなくても行動できているため、通級や担任の方のサポートを受けながらの普通級で大丈夫なのではと考えている。ただ、細かい困りごとはたくさんあるので、客観的な目でみて支援級を含めてどこがあうのかアドバイスがほしい」と話しました。担当の方からは、
「発達検査や親御さんからのヒアリングから、普通級が合うのではと感じている。保育園での観察結果をまとめて、後日また話しましょう」といわれました。普通学級に行く場合は、就学相談で相談した困りごとを資料として取りまとめてくれて、クラス分けの際に参考にしたり、担任の先生への申し送り事項として連携してくださるそうです。
 
私立小学校に関しては、
①特性を理解してくれる 
②息子の知的好奇心を満たしてくれそうな授業があるところ 
の2点を中心に体験授業や説明会に参加しているところです。①と②を両方を満たすところが少なく難航していますが、よさそうなところを数校に絞るところまでにきました。
 
受験のための幼児教室には通っていなく、特別な対策はまだ手付かずです。模試は2回受験しましたが、筆記に関しては、問題は音声でよまれるので、文字で読めば解ける問題も間違えてしまったり、一問ごとの回答時間が意外と短いので、解き終わらなかったりしています。行動観察や運動、面接も上手にできないことがあります。筆記に関しは少し対策をしようかと思っています。筆記以外については、特性でうまくできないことでもあるので、あまり対策せず本人の実像を見てもらってご縁をいただけるところがあれば、お世話になりたいなぁと感じています。
 
◆その他
著名な方が『集中力は、誰にも邪魔されずに没頭できた時間から培われる』と話していました。そろばんや公文、ピアノの練習を毎日おこなっているので、平日は自由な時間がほとんどない日もあります。割とそれぞれを前向きに取り組んでいてイヤがってはいないのですが、私が声をかけてから練習しているので、その点では、5歳は介入が多かったなぁと思います。6歳は自由に没頭する時間を多くとれたらなぁと。日課の量を減らすなどして、本人が気ままに好きなことに没頭する時間にしたいです。
 
あと介入という意味で、思い直す出来事がありました。それは、市民プールにりくと遊びに行ったときのこと。私は、スイミングに通ったり水泳部だったりして、一通り泳げます。一方、りくは、泳ぎを習ったことはなく、身体中に力が入っていて、うまく浮くことができない状態です。
 
りくは水が大好きで、雨や噴水なども大好物。当然プールも大好きで、プールにいくと大興奮でバシャバシャ動き回っていました。水泳経験者を活かして上達を目指していろいろ言いたくなることも。その気持ちを抑えて、りくの姿をしばらく眺めていたのですが、その楽しそうなことうれしそうなこと。次々とプールにあるビート板やブイなどを試したり、幼児用プールと背がぎりぎり立てるプールをいったり来たりしながら、キャッキャッ言って謳歌しています。
 
「這えば立て、立てば歩めの親心」と言われますが、読み書きや計算、着替えなどの自立に関しては、ひとつができたら、次はこれができるようにと、介入してきた気がします。特に自閉症スペクトラムの特性があると知ってから、困ることをひとつでも減らそうと、執着して働きかけてきた気がします。でも、純粋に誰に何も言われずに楽しむ時間は何にも代えがたい至福のとき。自分自身、そういう時間が心を豊かにし、ときにササクレだった心を落ち着けてくれました。上達至上主義からは、抜け出さないとな〜と自省しました。
 
以前にも、似たことを思って書いた記憶があるので、なかなか実行してこれなかったのが実情。ここ一週間くらい強く心がけて、本人が何かに没頭していたら、日課を後回しにしたり、ときにはやらない判断をしています。できるだけ、続けていきたいです^^。