今の姿だけでこどもを判断しない
先日、息子りく(3歳8ヶ月)のお遊戯会があった。
クラス全員が一列にならび歌う、踊る。
半数以上が踊りながら歌う中、りくはかたまり、数テンポ遅れて少し変形した踊りを踊っていた。
りくは、小さい時から、お遊戯が苦手だ。
「糸〜まきまき♪」という歌のときにする、手をぐるぐる回す動きのような立体的な動きを再現することが、今もうまくできない。そして、2つのことを同時にすることが苦手なので、歌いながら踊ることは、とても至難な技のようだ。
加えて、気が散りあさっての方角を見ていて、先生やお友だちの動きを見ていない。
見れていないということは、真似する以前の段階にいるのだ。
「うーん」
子どもの成長をよろこぶお遊戯会なのに、私はもやもやした気持ちを抱えながら眺めていた。お遊戯会は、成長の違いを痛感させられる残酷な場なのだ。
お遊戯会が終わった後、見に来てくれた祖母とりくと私でご飯を食べた。
その席で私は、「りくは少し変わった動きだったね、、、」とか「りくは先生の方をみてなかったね」「そういえば、普段踊ろうといって促しても踊りたがらないよな〜」と、次々に足りていないところの感想をつぶやいていた。
どうすれば集中して踊りに参加できるのだろうか、、、。すぐに答えがでない問いが頭の中を駆け巡る。
そのとき、一年前のお遊戯会のりくの姿が頭に思い浮かんだ。あのときの心配事は、他の園児と並んで行動できるかどうかだった。
途中でぐずって列を乱さないだろうか、、、。
並ぶの嫌がって他のことをしないだろうか、、、。
いまのりくは、あのときの心配事は問題なくクリアして笑顔で並んでいた。
そのうえ、去年は不安そうにしていたけど、今年は笑顔で声を出して笑いながら踊ろうとしていた。
息子は息子なりのペースで成長している!
笑顔で団体行動ができたなんて、去年のりくにとっては凄いことなのだ。
その事実に気が付き、私は反省した。
今は踊れなくても、きっとそのうちに踊れるようになる。
今の姿が一生続くわけではなく、りくのペースで成長していくのだ。
りくの頑張りや成長をほめずに、足りないことばかり話していた私。
りくがお遊戯会の後の会話をどれだけ理解しているかわからないけど、褒めていないことは理解していただろう。
笑顔でよくがんばったね、りく。
私は急いで息子の頑張りをねぎらった。
今、できていないことに悲嘆せず、できていることを認めてあげたい。
今の姿で判断するのではなく、過去からの成長、そして、未来のおこるだろう成長への期待を胸に秘めて、見守りたい。