注意散漫なときの対処法 ゴールを低く
前回、りくが注意散漫で、ADHDの不注意優勢型の傾向があるかもと書きました。
食事も遊びも着替えも片付けも、何をするにしても、気が散って時間がかかります。。
どこかで読んだ対処法に、刺激を減らすといいとあり、視界に気が散るものが入らないように机の向きを変えたりするなどして、工夫してみました。
しかし、りくの場合、目につくモノ、それが食事中のスプーンや指までも、何に対しても気が散るし、思い出したことを延々としゃべったりもするので、注意が散るものをゼロに減らすことは不可能そうです。
思いあぐねて、臨床心理士の友人に、相談してみることにしました。
友人はブログでの公開を快く快諾してくれたので、紹介しますね。
友人には2つの事例を挙げて、相談しました。
1つ目は、食事中に気が散って、歩きまわったり、スプーンの柄をなめたり、机を叩いたりしてしまい、食事の時間がかかること。
2つ目は、片付けの際に、目についたおもちゃで遊び始めてしまい、片付けることができないこと。
友人の返答は次のようなものです。
「食事中は、①たちあがったり、②スプーンの柄を眺めたり、③食べ物で遊んだりとすごく時間がかかります。
①は、食事中に何かを観るために立ち上がっていますか? それとも何か手にとりたくなったのがきっかけでしょうか? 頻繁に立ち上がる理由をまず観察してみてください。
それともお腹が満たされてきて、食事をすることから気がそれたのでしょうか? 食べたくないなぁ、お腹いっぱいだなぁ、と。
気になるものが多いようなら、視覚刺激の統制は有効でしょう。すでにブログに書かれていますが、本棚には布をかぶせるとか、目隠し、あるいは、カーテンでその時だけ仕切ったり、ついたてをして、見えないようにする。
視覚刺激に気を取られやすいので、人の動きは1つの刺激になります。または周囲の音声も。
極力、食事中は家人もしずかに食べることをオススメします。
満腹感を感じているようなら、ごちそうさまの挨拶をして終了する という決まりにしたら良いと思います。食事にかける時間ではなく 空腹が満たされれば良いと思っているので。
とにかく空腹時に食事をするのがポイントとなるでしょう。
スプーンの柄を眺める・・・満腹で気がそれたのでなければ、少しだけ共通の話のネタにして、その楽しいスプーンでおいしい食事をしようね☆と持って行けたらよいですね。
食べ物で遊ぶのは、大抵満腹感が感じられてきた時に起きやすいですね。なので、切り上げる目安にもなりそうですね。
食事の時間は、保育園でも区切りがあるので、自宅でも区切りをつけて良いと思いますよ。
次の質問に移ります。
おかたづけなども、①片付けようとしたときに、②違うおもちゃに気をとられて、それで遊びはじめるなど、目についたり、思いついたりしたことを、し始めてしまい、いろいろ時間がかかってしまいます。
①の 片付けようとしたとき ですが、年令によって「片付け」への要求水準が異なります。
これは食事の場面でも言えることですね。
りくくんは、3歳1ヶ月。
ASD プラス ADHDの症状があったとして、生活年齢からさらに差し引いて、どこまで要求するかを考えてあげる必要があります。
通常でも一人で片付けるのは困難な年齢だと私は思っているので、もともと「いっしょに片付けようね」
ですし、それプラス、視覚刺激に反応しやすいので、あれこれ楽しいおもちゃがあると、気が散れて当然かなぁ。
大人は、様々な種類のオモチャ(趣味のもの)が床に散らばっていた時に、「片付けなさい」と言われたら、即座にこの場合の「片付けなさい」がどのような意味を持つのか、さっとイメージできます。
もしイメージがさっと作れない場合には、片付けられない人になってしまいます。(^^ゞ
例えば、まずオモチャの分類ができるか?
その後、種類別にどこに片付けるかを決められるか。
オモチャの種類分けがむずかしいようなら、大半は片付けた後に、一種類だけ残しておいて、それをこのカゴに入れてね など かなり「構造化された片付け指導」をされるとよいでしょう。
それも「大人と一緒に」。
少し年齢が高くなれば、文字も読めてくるし、オモチャを片付ける(入れる)場所に、ラベルを張っておくと、わかりやすくなりますね。
分類が出来てきたとしてですね。
まだ、ごっちゃにして箱に詰めてしまうようなら、やらせるところを限定したお片付け指導が良いと思います。
親が95%片付けて、あとで本人が5%片付けて、でも本人がやり遂げた ように仕向けられると、楽しく片付けられるでしょう。
「片付けた後に、楽しみが待っている」場合は、モチベーションが高まります。
まぁ、時期にできるようになるので、気楽にやってみてください♡」
友人のアドバイスおかげで、自分自身の中で、大きな気付きがありました。それは、私の要求レベルが高かったのだということ。
例えば食事でいうと、席を立たずに、好き嫌いなく、完食するということをゴールにしていました。
だから、気が散って歩き始めた息子に、席に座らせて食事を続けさせることに、苦心していたのです。
食事を完食することがゴールですから、本人が食べたくなくなっても、無理に食べ続けさせなくてはいけない。
本人も意に添わないことをさせられているので、苦痛ですし、そんな息子に応対する私もストレスを感じていたわけです。
そこで、食事のゴールを、空腹が満たされていたらOKにするに変えてみました。
りくが気が散って立ち上がったときに、「もう、ごちそうさましようね」というと、本人は、慌てて「まだ、食べる」と言って座るときもあれば、「うん、ごちそうさまにする」というときもあります。
このゴールの変更は、すごく楽になりましたね。
食事を完食することをゴールにおいていたときも、全部食べれないことの方が多かったので、食べた量は結果としては同じです。ですが、お互いがストレスなく穏やかに食事をしている分、気が散る頻度が少しですが減りましたし、親子の精神的には辛さは激減しました。
スモールステップとよく言われますが、一つの動作を分解していくことイメージしていました。もしかしたら、ゴール自体を変更する方法もスモールステップの1つなのかもしれないですね。
子どもも成長していきます。昔悩んでいたことも、いつの間にかスルリとできるようになっていて、びっくりすることが多くあります。なかなか歩かないと悩んでいた時期もあったのに、いまでは歩き方のバランスが気になりつつも、いろんなところに走り回っています。
1つできるようになったら、次に気になることが出てくる。イタチごっこではあるので、精神的には1つのことに集中して心配しすぎないことも大事なのかもしれません。
呑気に気長に待ってみたいと思います。